またたび、いつから愛されてきたのか？

またたびは、古くから日本人に愛されてきた猫用植物です。その歴史は悠久に遡り、平安時代の文献にもその名が記されています。

平安時代の史料にみるまたたび

10世紀後半に編纂された『枕草子』に、またたびに関する記述があります。清少納言は、猫がまたたびを舐めると「あはあは」と鳴いて喜ぶ様子を「心憂き時」に「心ゆくまで」楽しみ、それで「憂きことを忘るる」と記しています。

また、12世紀初頭に書かれた『今昔物語集』でも、猫がまたたびを舐めて「狂ほしき」様子が描かれています。これらの文献から、平安時代にはすでにまたたびが猫を夢中にさせる植物として知られていたことがわかります。

江戸時代のまたたび

江戸時代に入ると、またたびは庶民にも広く普及しました。浮世絵には、猫がまたたびを舐める様子を描いた作品が数多く残されています。また、狂歌には「またたびの種をとる猫の姿かな」や「またたびの茎をなぶる猫の面（おも）」といった句があり、猫とまたたびの親密な関係がうかがえます。

現代のまたたび

現代では、またたびはペットショップやホームセンターで手軽に購入できます。また、猫用のおやつやおもちゃにも配合されています。多くの猫がまたたびを好んで舐めることから、猫の興奮剤として使用されることも少なくありません。

またたびがもたらす効果

猫がまたたびを舐めると、以下のような効果が現れます。

• 興奮：猫はまたたびを舐めると、興奮状態になり、走り回ったり、じゃれたりします。
• 転倒：またたびを摂取すると、猫はバランスを失い、転倒したり、よろめいたりします。
• 涎：またたびを舐めた猫は、大量の涎を出します。
• 肉食行動：またたびを舐めた猫は、肉食動物のような行動を示し、空気を噛んだり、壁を引っ掻いたりします。

これらの効果は、またたびに含まれるネペタラクトールという成分によるものです。ネペタラクトールは、猫の脳内の受容体に結合し、興奮や酩酊感をもたらします。

またたびの効果は一時的

またたびの効果は通常、30分ほどで現れ、1～2時間持続します。その後、猫は徐々に落ち着きを取り戻します。またたびの効果は生理的なものではなく、精神的なものであるため、依存性はありません。

またたびがもたらすメリット

またたびは、猫に以下のようなメリットをもたらします。

• 遊び道具：またたびは猫にとって楽しい遊び道具になり、運動不足の解消やストレス発散に役立ちます。
• 健康促進：またたびには抗炎症作用や抗菌作用があると言われています。
• 食欲増進：またたびを舐めた猫は、食欲が増進する場合があります。

またたびは猫の健康管理や気分転換に役立つ、優れた植物です。ただし、与えすぎには注意が必要です。またたびを頻繁に与えると、効果が弱まったり、猫が興奮しすぎてしまうことがあります。

またたびのデメリットと注意点

またたびのデメリットと注意点を以下に示します。

• 過剰摂取による中毒：またたびを大量に摂取すると、嘔吐、下痢、脱力などの中毒症状が現れることがあります。
• 興奮の持続：一部の猫では、またたびの効果が長時間持続し、過剰な興奮や攻撃性が出る場合があります。
• 個体差：すべての猫がまたたびを好むわけではありません。また、効果の出方に個体差があります。
• 妊娠・授乳期の猫への与えすぎ：妊娠・授乳期の猫にまたたびを与えすぎると、子猫に影響が出る可能性があります。

またたびを与える場合は、適量を与え、猫の様子を観察しながら様子を見る必要があります。

またたびに関するよくある質問

Q1. すべての猫がまたたびを好むのですか？
A1. いいえ、すべての猫がまたたびを好むわけではありません。またたびを舐めて興奮する猫もいれば、全く反応しない猫もいます。

Q2. またたびの効果はどのくらい持続しますか？
A2. またたびの効果は通常、30分ほどで現れ、1～2時間持続します。ただし、個体差があります。

Q3. またたびを与えすぎるとどうなりますか？
A3. またたびを与えすぎると、嘔吐、下痢、脱力などの中毒症状が現れることがあります。また、過剰な興奮や攻撃性が出る場合もあります。

Q4. 妊娠・授乳期の猫にまたたびを与えても大丈夫ですか？
A4. 妊娠・授乳期の猫にまたたびを与えすぎると、子猫に影響が出る可能性があります。適量を与えるようにしましょう。

Q5. またたびは中毒性がありますか？
A5. いいえ、またたびには中毒性はありません。ただし、与えすぎには注意が必要です。

Q6. またたびの代わりに他の植物を与えても大丈夫ですか？
A6. またたびの代わりに、キャットニップやバレリアンルートなどの他の猫用植物を与えることもできます。ただし、これらもまたたびと同様に、与えすぎには注意が必要です。

Q7. またたびはどのように保管すればよいですか？
A7. またたびは乾燥した冷暗所で保管しましょう。直射日光や高温多湿を避けましょう。

Q8. またたびは猫にとって安全ですか？
A8. はい、適量を与えれば、またたびは猫にとって安全です。ただし、妊娠・授乳期の猫や、またたびに過剰に反応する猫には与えすぎないようにしましょう。

結論

またたびは、古くから日本人に愛されてきた猫用植物です。猫に興奮をもたらし、遊び道具や健康促進に役立ちます。ただし、与えすぎには注意が必要です。またたびを適量与えて、猫の健康管理や気分転換に役立てましょう。